安倍首相の突然の辞任により新しく福田康夫新首相が誕生することになった。福田氏は「話し合いの政治」というスタンスを基本に今後、混乱している国会の円滑な運営を図ろうとしている。
「ある世代は文明を創造するために生まれ、ある世代は文明を維持するために生まれる」とは、「第三の波」を記した未来学者アルビン・トフラーの至言である。また平和学者のガルトゥウング博士は「Cool Heads & Warm Hearts(冷静な頭脳と熱い心)」という言葉を残しているが、福田首相は「文明を維持」するために誕生し、「頭を冷やして国民にためにしっかり仕事をせよ」との民意から誕生したのであろうと私は思っている。
ところでアルビン・トフラーの名著『第三の波』には、補完的な「第三の波の政治」という著がある。彼はその中の「21世紀の民主主義」の章で、新しい文明の政治体制を支える原理として「マイノリティーパワー(少数意見の尊重)」「半直接民主主義」「決定権の分散」という3つの原理を提起している。それぞれについては今後のブログで詳細に記したいと思っているが、福田首相の「話し合いの政治」は、この3つの原理の上に立脚したものであってほしいものだ。とりわけ半直接民主主義という概念は、「選ばれた代表者への依存から、自分たち自身が代表となることへの転換こそ半直接民主主義である」とアルビン・トフラーが言っているように、従来型の政治体制や理念からの発想の転換を迫っている。新しい政権の基本理念もそうであってほしいと願っている。
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