アメリカの哲学者であり教育者であったデューイは、「話し合いの哲学」を日本の青年に語り残したと言われている。ハーバード大学のドゥ・ウェイミン教授は、「文明の対話」から「対話の文明」への転換が時代に求められている。こうした内容を紹介した地方新聞の寄稿文を知り感銘を深くした。「議会」を意味する英語は「パーラ(話し合う)メント(場所)」という指摘も的を得ている。まさに民主主義も対話に始まり対話に帰着する。対話は相手を攻撃するドッジボールではなく、相手を受け止めるキャッチボールだとの指摘も目から鱗が落ちる思いである。
政治の世界でも、与野党が国民のために真剣に対話し、合意を得られるために汗をかくことがまさに求められている時である。衆議院選挙は単なる政党のパフォーマンスの場では決してない。党利党略を超えて今、生活者庶民が直面している課題にすばやく手を打ち、課題を克服することこそ重要である。衆議院選挙は3つの選択が重要であることを飯尾潤氏は著「日本の統治構造…官僚内閣制から議院内閣制へ」において指摘している。すなわち衆議院選挙においては、1.どの政権政党及び政権政党連合を選ぶか。2.誰を首相(日本のトップリーダー)に選ぶか。3.どの政策綱領(マニフェスト)を選ぶかの3つである。判断基準は冷静に、3つの基盤にたって精査すべきである。
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