東日本大震災の復旧復興の状況調査のため、12月19日、20日にかけて、宮城県石巻市と仙台市へ調査に赴いた。復興の槌音は聞こえてきたが、生活現場では、雇用、まちづくり、地域経済等、まだまだ課題は多く、復興には向こう10年〜20年はかかるとの見方も強かった。罹災証明事務などの行政の課題もここにきてやっと落ち着きを見せてきた感があるようだ。仮設商店外も訪れた。パン販売のおばさんが「皆さんのおかげで助かります」と感謝の言葉を頂いて恐縮した。東北の方々の真の強さと謙虚さに頭が下がる思いだった。改めて支え合う社会構築の必要性を実感した。
右肩上がりの時代を生きてきた現在の世代はいずれにしても、今回の震災により価値観に転換を余儀なくされた。大谷大学のの鷲田清一教授は、右肩下がりの時代を生き抜くための視点として、インディペンデンスの時代から、インターディペンデンスの時代への転換を指摘している。つまり、インディペンデンス(独立)の時代から、インターデペンデンス(支え合う)時代への必要性を示している。
おりしも、北朝鮮の金正日総書記が死去したことで、世界はまた不安定な未来予測を見据え六ケ国協議等外交戦略が問われてきている。しかし自由を求めての独立の視点だけでは、今後は早晩行き詰まる。世界の国々が支え合うというインターディペンデンス社会をどう築き上げるかを今こそ真剣に行動に移す時である。
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