IT革命=インフォメーションテクノロジー(情報技術)革命といわれて随分経ちますが、現代人の多くは、携帯電話やメールなどあらゆる情報技術を活用しながらコミュニケーションをとっています。第三の波という情報化の波は、私達の生活にも大きな影響を与えています。まさに便利とスピードの社会です。そして若者だけのものであったのが、今では、高齢者や主婦層まで世代を超えて世代間のコミュニケーションツールとしても活用されています。
しかしITの弊害も浮き彫りになってきています。それはコミュニケーション不足の問題です。認知心理学者のメラービアンは、メッセージの認識度を「言語内容7%」「音声・声質38%」「表情55%」と指摘し、しかも意思が100%伝えられても心まで相手に伝えることは極めて困難であると研究結果で示しています。人が対話して伝え合うものは、言語内容よりも、表情の方が大きいとしています。メールなどは文字と記号の世界。
現代は、ITの時代からコミュニケーションを重視するICTの時代に突入しています。ICT=インフォメーション&コミュニケーション・テクノロジーは、対話が基本です。しかも表情のある対話です。私はこうした対話を「色気のある対話」と言ってます。表情は個性があり、それぞれの色があります。デジタルな世界は、いくら色がカラフルでも色が生きていません。息づかいや匂いや色を感じさせる豊かな対話が何よりも重要です。
話をしながら携帯電話でメール送信したりしていては、心と心の交流などありえません。直接コミュニケーションと間接コミュニケーションが逆転しているのでです。つまり、近くの人が遠くなり、遠くの人が近くなるのがITだと思います。コミュニケーションを重視すれば、ホームページもおのずと、ブログへ移行せざるを得ないようになるでしょう。
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創作:七海 奏(ななみ かなえ)
作品名:ほっとしましょう