第3の波(情報革命)を提唱した未来学者アルビン・トフラー氏は、以前から時代の変化の認識と、その対応力について指摘している。第1の波(農業革命)、第2の波(産業革命)、第3の波(情報革命)によってもたらされる変化の波は、第3の波の変化が主流になりつつも常に渾然一体となって進んでいる。
しかし問題は、その変化に対する対応力が重要な視点であることを彼の新著「富の未来」で指摘しているのである。すなわちそれぞれの組織の対応力をスピード(速度)で表現している。
時速100km(企業)、時速90km(社会団体・非政府機関)、時速60km(家族)、時速30km(労働組合)、時速25km(官僚機構、規制機関)、時速10km(公教育制度)、時速5km(国際機関)、時速3km(政治構造)、時速1km(法律)である。
スピード化の時代を考えれば、それぞれ遅い組織は変革や改革が余儀なくされることは当然である。旧態依然の対応力では、対応しきれない時代であることを速度が遅い組織ほど認識していないのが不幸である。